目的と手段
水切りヨーグルトが面白い。
コーヒーを淹れるときに使う逆三角形のアレをマグカップの上に乗せて
フィルターをセットしてヨーグルトを入れると乳清がどんどん落ちる。
1時間もすると水分と酸味が抜けて柔らかめのカッテージチーズのようになる。
濃くまろやかな味になっていて、蜂蜜をかけると美味しい。
といっても私は水を切るのが実験のようで面白くてやっているだけなのだが。
料理に使ってもいいらしい。
テレビで料理研究家が紹介していたのは、揚げた豆鯵を野菜の千切りと和えるもの。
野菜の千切りに水切りヨーグルトと乳清と調味料で味付けするのがポイントらしい。
鯵の南蛮漬けは大好物なのでぜひ食べてみたい。
しかし腑に落ちない。ヨーグルトと乳清を両方入れるならなぜ水を切るのだろう?
水を切る行為そのものが目的になっていないか?
だとしたらいい友達になれそうだ。
その夜は悪夢を見た
つけ麺は1度だけ食べたことがある。
うん、そうか。と納得してそれきり食べていなかったのだが、
すだちを絞って食べさせる店を見つけて、レモンを筆頭に酸味が好物なので入ってみた。
小さなおろし金で皮を少し削り、果汁で洗いながら麺にかける。
つけ汁は魚介系。どろどろでかなり濃厚だ。酸味は埋もれがちだが美味しい。
で、麺を半分食べたところで丼を見てビックリした。ちっとも減ってない。
小にすればよかったと悔い水を飲みTVチャンピオンの大食い選手権を思い出しながら
一所懸命に食べた。つけ汁に麺を沈めてみたが、隠れない。がんばって食べた。
全身につけ麺が詰まっている。夜道をぽとぽと歩くと体の中の麺が揺れる感触すらある。
美味しかったが、今回もうん、そうか。と思った。食べ続けると癖になるのかなあ。
記憶
学生時代は毎晩のように下北沢で飲んでいた。
その頃に友人がアルバイトしていたオーセンティックバーがある。
学生には分不相応だったが、何も考えていなかったのと背伸びしたかったのでよく行った。
大学を卒業してからは下北沢からも引越し、足が遠のいていた。
数年前、店名そのままで経営者が変わってカジュアルな雰囲気になったと聞いた。
いろんなベルギービールを置くようになったのを思い出して行ってみることにした。
店名や店に入っていく暗い階段こそ昔と変わらなかったが、
客層もインテリアもカクテルの質も完全に別の店になっていた。
ベルギービール推しの店ならこんなもんか…。安いのでこれはこれでよしとしてまた来よう。
初めて通ったオーセンティックバーの記憶は上書きせずとっておくことにした。