まいにちまいにち

日々を摘む。

ダメ連発 瀬戸内旅行2日目

◆直島

朝、隣の部屋で抜け殻となった浴衣を見かける。

清算ついでに宿のおばちゃんに「浴衣ってどこにあったんですか?」と聞いたら、

慌てた様子でいろいろ言っていたけど、まとめると忘れていたようだ(本人は認めない)。

多少ちえっと思いながら玄関に荷物を置かせてもらって出かけようとしたら、

奥から「あんた! ちょっと時間ある?」と怒鳴り声。スイカをごちそうになった。

なんだ、話し方はかなり不機嫌そうだけど、普通の優しいおばちゃんなのか。

素泊まりだったので朝ごはんにちょうどよかった。ん? 浴衣の埋め合わせ?

 

ところでわたしの実家は海に近い。漁師町での日常会話はケンカにしか聞こえない。

直島の人たちの怒っているのかと思うような話し方も、そういうことなのかもしれない。

宿のおばちゃんもお店のおばちゃんも、はじめはぶっきらぼうだがいい人だった。

 

さて今日は豊島経由の高速船で犬島へ。

インド人だらけのチャーター便に乗りそうになった。ガンダーラに着いてしまう。

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◆犬島

犬島は精錬所跡地が美術館になっている。

廃墟となりぼろぼろに崩れたレンガ造りの建物と大きな煙突がかっこいい。

ちなみに、豊島と犬島を1日で回ろうとすると滞在時間が各2時間と短いので日程を分けた。

 

船着き場の目の前がチケットセンター。

チケットは1種類で、犬島精錬所美術館ほか島一周で見られる全てがまとまっている。

精錬所があること以外は一切予習していかなかった。公式ガイドブックも美術手帖もない。

チケットが簡単な地図になっているが、いわゆるオシャレ地図なので、

くるくる回しながらどの形がどの敷地なのかを読み解くのに少し困ることもあった。

家プロジェクトに入るときに、オシャレ地図の該当地にパチンと穴を開けてくれる。

これがスタンプラリーのようで楽しかった。

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犬島精錬所美術館の内部の作品は、映画「CUBE」のラストのようで興奮した。

予備知識なしで行った方が楽しいと思う。そしてなるべく空いている時間に。

前に人がいるとタネがわかってしまって興奮が半減だ。

いろいろ考えながら歩いていたら、「アハ体験」という単語に頭を占拠されてつらかった。

 

ちなみに広間を見ている間にスタッフが前の人の案内に入って順路がわからなくなり、

入り口まで引き返したら入り口のスタッフがかなり焦っていた。

広間を見たら、スタッフが出てくるのを待って声をかけましょう。

 

家プロジェクトもそれぞれ面白かった。

印象に残っているのは最初に見た白いムクムクと最後の庭。庭よかった。

犬島に限らず、映像作品にはあまりぴんとこないようだ。感性が鈍いようで寂しい。

 

海沿いをぶらぶらしながらチケットセンターまで戻り、島の寒天で作ったコーヒーゼリー。

小さな商店の軒先でガチャガチャをやっている女性がいたので話しかけると、

なんとか丸という平安貴族の服を着た犬の缶バッジだという。やってみる。

入っていた説明によると、島流しされた設定らしい…。平家の犬か…。

佐渡島神津島、犬島…流刑の島って全国にあったんだな。

商店で缶ビールを買って高速船に乗り込む。直島に戻ったらジャグジーだ。

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◆直島

ベネッセハウスのバスで本村地区に向かい、予約していた家プロジェクト「キンザ」へ。

薄暗い民家の中でじっとしていることでアートを体感する…らしいのだけど、

バスの時間が気になって仕方ないし暑いし煩悩だらけで3分経たずに出てしまった。

これなら間に合う! と思った1本早いバスは、なかった。

犬島で買ったビールはほとんど飲まないまま、船の揺れでひっくり返した。

一人のときはすごくダメ人間だ。人といるとなぜかなんとか一人前っぽくなるのだが。

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本村に行かずまっすぐベネッセハウスに行けばよかったと後悔しながら、

先にバスで運んでもらっていた荷物を受け取り、オーバル棟のバーで友人と合流。

優雅にウェルカムドリンクを飲む友人への挨拶もそこそこに部屋に行き準備。

「文化大混浴」という宿泊者だけの屋外ジャグジーを予約してあるのだ。

そのために水着を持ってきている。でもめんどうだから足湯だけでいいや。

と、湯船の段差を移動していたらバスタオルごとドボン…。しっかり薬草風呂を堪能した。

この後、もう一つ事件が起こったのだがとてもここには書けないので、飲んだときにでも。

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晩ごはんは宮之浦に戻って「ニューおりんぴあ」で刺身定食を食べた。

日中、暑い中を歩き回ってジャグジーにドボンした後のビールはしみる。最高だ。

ここも民宿をやっているが、2名以上でしか受け付けていない。秋には新棟ができるらしい。

 

ホテルに戻ると、予約していた夜のギャラリーツアーが始まっていた。

ベネッセハウスは「美術館に泊まる」というコンセプトのホテルなのだけど、

なんといっても夜23時までギャラリーを自由に歩き回れるのがいい。

 

ツアー後、翌日以降の作戦を練りに行ったオーバル棟のバーでは、

ギャラリーの作品「雑草」をイメージしたカクテル「雑草」を飲んだ。

ペパーミントとグレープフルーツが爽やかで最高に美味しかった。バーはいい。

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明日はまた別行動になる。