好きです、時刻表… 瀬戸内旅行4日目
話の下手な人の特徴、本題に入るまでが長い。
私のことです。
◆小豆島
小豆島は広い。面積は約153km2、海岸線は約126kmという。
そのため瀬戸内国際芸術祭の作品展示数が多く、場所も点在している。
展示会場はざっくりと西側の土庄港エリア、中央の三都半島エリア、東側の坂出港エリアに分かれる。
全て回るのは無理なので、あらかじめ見たい作品と、行きたい場所を絞ることにした。
具体的には、中山の「小豆島の光」と、坂出港のヤノベケンジ作品。
移動はバス。レンタカー案も出たが、私が運転できなくて心苦しい(運転者が飲酒できない)のと
高くつくのと駐車場の確保が面倒そうなのでわがままを言った。
問題は路線バスがなくなった夕食後に宿に戻る手段だったが、タクシーを呼ぶことにした。
バスは本数が少ないのと東西を貫く路線がないため、各目的地への終バスに目を光らせた。
時刻表を眺めては丸をつけてまた眺め、ちょっと受験の頃を思い出すほどだった。
それだけ見ても丸暗記できないのが受験生の頃と大きく違う点だ。
単純接触の法則というんだったか、時刻表を眺めすぎて前より好きになったかもしれない。
それはそれで楽しかったが、友人にはちょっと悪いことをしたなと反省している。
小豆島では1500円の1日フリーパスチケットで全てのバスに乗れる(期間注意)。
ちなみにガイドブック類は買わなかった。
大活躍したのが、宇野港でもらった「小豆島・豊島アートガイド」という簡易パンフレット。
船とバスの時刻表がコンパクトにまとまっているうえ、2島の作品リストと解説も載っている。
ポケットサイズに折りたたんでぼろぼろになるまで使った。ありがとうございました。
公式サイトでPDFをダウンロードできる。
個人的には紙で、できれば配布している形のをもっていたほうが断然使いやすいと思う。
個々の作品についてあまり書くつもりはないので、旅のこまごましたことばかりになるが、
この日のルートはこんな感じ。箇条書きで失礼。
・朝一で一番行きにくそうな中山地区「小豆島の光」に行き早速朝寝最高。
・バスの待ち時間に農村歌舞伎舞台を見学。これは作品ではなく小豆島に昔からあるもの。
高いところに神社、低いところに舞台があり、両者間の傾斜を利用して芝生の観客席が作られている。
・坂出港エリアに向かう。草壁港でバス乗換え時間がたっぷりあるため、港の待合室で休憩。
・坂出港手前、醤油蔵がたくさんある馬木エリアで降りてワークショップや畑、ヤギの庄平など。
ところてんや畑でとれたきゅうり、トマトなどをいただき生き返った。
・友人が調べてくれた島唯一の酒蔵、森国酒蔵でランチ。
日本酒を使ったカクテル「サムライ」とクリスピーピザをいただいた。美味しい!
…が、バスの時間が迫っていたためガツガツと食べて坂出港へ。
・坂出港でヤノベケンジ作品。フェリーが停泊していたが、屋上のトらやんはちらっとしか見えず。
・10分ほど坂道を上ってヤノベケンジ×ビートたけしコラボ作品へ。
毎時ちょうどに井戸から出てくるということで、待機。
15時ちょうどにスピーカーから効果音が流れ、昔は醤油蔵が使っていた大きな井戸の底から
大地を揺るがすような轟音とともに巨大な人形がせり上がってくる。
作品名は「ANGER from the Bottom」。
ぐわーっと飲まれるような迫力…のはずだったのだが、この日は参議院選挙があったため、
町内会のスピーカーから繰り返し選挙の案内が流れ続け、のどかだった。
お酒のせいで文字通りだくだくと汗をかいて全身びっしょりに…。
・へとへと。お風呂に入りたい!
ので予定より早いバスで戻りつつ、醤油蔵のショップに寄って念願の醤油ソフトとお土産。
・いったん宿に戻ってお風呂でサッパリ。後は飲むだけの状態で土庄港へ夕食に向かう。
・バスは貸しきり。乗るや否や運転手さんが葉脈が2本ある「ハート型のオリーブの葉」をくれた。
が、友人も私もオリーブ園のことは眼中になかったためその存在を知らずがっかりさせてしまう。
「スマホで調べます!」などのやり取りがあって、それが幸せを呼ぶお守りでレアものだとわかり、
謝りつつ雑談をしていたら、臨時路線では飛ばすバス停に停まってくれることに。
途中、中山地区で他の乗客がたくさん乗ってきた。
運転手さんも仕事モードの声に変わり、「次は~〇〇~〇〇~」とアナウンスしている。
はー楽しかった。と油断していたら、またマイク越しに地声でぺらぺら話しかけてくるのが
大変面白く、声が切り替わるたびに肩を震わせた。
小豆島の人はみな親切で、洗練された島の人情を感じることが多かった。
直島はもう少し不器用な感じだったように思う。
・夕食は「島活」へ。友人が知り合いからオススメされたしゃれた日本料理やさん。
どれもこれも、ちゃんとひと手間加えてあってとても美味しい。最高の選択だった。
たくさん撮った写真は全てiPhoneに入っている。
PCに取り込むのがめんどうでごはんの写真だけに…まあ、ごはんは重要である。
ところで、この日は国民宿舎小豆島のデラックスルームに部屋を変えた。
驚いた。大きなベッドにソファ。ビジネスホテルでもちょっといいクラスの雰囲気である。
清潔だし2泊で朝夕1食にビールをつけて(量も味も給仕も大満足で)1人1万5000円はすごく安い。
予約時から何度も電話し、バス停までの迎えも毎度頼み、レストランではビールばかり飲んだが、
従業員はみな親切で、いつも笑顔で対応してくれた。
全力でオススメできる。宿泊客は車で来ている人がほとんどだった。
宿では洗濯を待ちながら池上彰の選挙特番を肴にまたビール。
明日は豊島に行く。